- 私は学生です。
- あなたはテニスをしています。
- 彼は数学の勉強をします。
- 京都に行ったことがありますか?
- あなたはこのペンを持っていますか?
このような問題を生徒何人かに出しました。
実はこれらの問題、出題順にポイントがあります。
そして出題内容にもポイントがあります。
生徒に問題を出すときには、さまざまなポイントを意識しているケースが多いです。
今回は、どのようなことを意識して問題を出したのかをお話ししたいと思います。
出題の順番にポイントがある
今回は、以下のような問題を中学3年生複数人に出してみました。
- 私は学生です。
- あなたはテニスをしています。
- 彼は数学の勉強をします。
- 京都に行ったことがありますか?
- あなたはこのペンを持っていますか?
どれも受験生にとっては簡単な内容となります。しかし意外と引っかかってしまうのです。
まず「私は学生です。」です。
「I am a student.」が正解となるのですが、意外と多くの生徒がが、「I am student.」という答えを出してしまいます。「a」を抜かしてしまうわけです。
たった1文字ですが、これにより減点の対象となってしまいます。2点問題であれば1点減点、1点問題であれば0点となってしまうのです。
たった1文字のためにです。
次に「あなたはテニスをしています。」です。
正解は「You are playing tennis.」となります。
1つ前の問題では一般動詞を使っていませんでした。しかし今回は「テニスをする」わけですから「play」という一般動詞を使うことになります。
ここで悩む生徒がいます。
回答候補としては以下のようになります。
You playing tennis.
You play tennis.
You are play tennis.
1つ前の問題で「a」を抜かして間違えてしまった場合、そしてそれを指摘された場合、「tennis」に「a」を付けるケースもあります。
今回の場合は「現在進行形」の文章であるため、「be動詞+一般動詞ing」を使う必要があります。
しかし「現在進行形」ということがわかっても、「現在進行形=ing」と覚えてしまっている生徒は非常に多いです。つまり「be動詞」を抜かしてしまうのです。
また文末が「~しています。」となっているのにもかかわらず「~します」の文章にしてしまうケースもあります。
さらに英語の基本は「主語+動詞」にもかかわらず「主語+be動詞+一般動詞」としてしまうケースもあります。
いつ前の問題で「現在進行形」の文章に触れると、次の問題でそのまま引きづってしまうケースがあります。
そして1つ前の問題の主語が「you」であったため、このあたりで「3人称の主語」を使うことがポイントとなります。
「彼は数学の勉強をします。」
この問題の回答は「He studies math.」となります。
よくあるミスは、主語が3人称であるのにもかかわらず、一般動詞である「study」に三単現のsを付けないケース。三単現のsを付けているのにもかかわらず「studys」となってしまうケース。
さらには1つ前の問題に引っ張られて、「He is studying math.」であったり「He studying math.」としてしまうケースなどがあります。
その次の問題である「京都に行ったことがありますか?」はその次の問題の布石です。
この問題の回答は「Have you ever been to Kyoto?」となります。
「Do you go to Kyoto?」「Are you going to Kyoto?」などの答えが出てしまうこともあります。
ただ意外と正解率は高いです。というのも、中学3年生の場合、習ってからそれほど日が経っていないということもあるでしょう。
そこで次の問題となります。
「あなたはこのペンを持っていますか?」
この答えは「Do you have this pen?」となります。
しかし1つ前の問題で「現在完了」を使うと、「Have you this pen?」といった回答が出てしまうことがあります。
現在完了の「have」と、一般動詞の「have」がゴチャゴチャになってしまうわけです。
しかしこれも理論的に考えるとわかることです。
「have」を文頭に置いて疑問文を作るということは、現在完了の文章であるということです。現在完了の文章ということは「過去分詞」を使っているはずです。
ところが「Have you this pen?」といった回答には、過去分詞がありませんよね。この時点でミスであると判断できるわけです。
そして今一度、英語の基本に立ち返ってもらいたいのです。「主語+動詞」の関係ということです。
もしわからなければ疑問文ではなく「あなたはこのペンを持っています。」という肯定文にして考えてみるとよいでしょう。すると「You have this pen.」となります。
また同様に同じような文章を考えてみるとよいでしょう。たとえば「You play tennis.」。
これを疑問文にするときには「have」という単語が出ていないため、「Do you play tennis?」となることが簡単にわかります。
それと同じ理由で「You have this pen.」を疑問文にすると「Do you have this pen?」という答えが出せるわけです。
中学英語は論理的に考える
中学の英語はある意味パズルゲームです。論理的に考えれば多くは理解することが可能です。
そして高校入試などの場合、どの科目でもいえることですが習った順で出てくるわけではありません。
よって使う文法をゴチャゴチャにして出題してみると、意外と生徒は頭を使ってくれます。そして出題順も色々考えながら出してみると、意外と弱点を見つけることも可能です。
塾の役目は、「対象の生徒の苦手を探し、対処法を提示すること」だと思っています。