文章問題は区切って理解する 一度自分自身に落とし込むことが大事

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指導報告

文章問題を苦手とする生徒は多いです。

しかし考え方を少し変えるだけで、意外と解けるものなのです。

今回は、「文章問題の捉え方」についてお話ししたいと思います。

前提として 一気に読まない

どの教科の文章題でもいえることですが、文章題すべてを一気に読んだとしてすぐに理解できるものではありません。

国語の文章であれば、一気に読んだとしてもなんとなく書かれていることは理解できると思います。

しかし数学や英語の文章題に限って言うと、一気に読んだとしてもなかなかニュアンスさえも掴めないということがあります。

そこで重要なのは、「区切って1つずつ理解していくこと」です。

文章題全体に「。」が3つあったとします。それであれば「3つ」に区切って理解していきます。それでも理解が難しければ、もっと短く区切って理解していくのです。

すぐには分からない

そもそもですが、文章題を勘違いしてしまっている生徒がいます。

たとえば数学の計算や英語の文法問題は、比較的短時間で解くことができます。

その感覚でいるケースがあるのです。

つまり1つの問題を解くのに、10分や20分かけること自体あり得ない・・・と考えてしまっているのです。

よって、文章問題を見て解法をパッと思いつかなかった瞬間に「これはできない問題」「難しい問題」と判断してしまうようなのです。

連立方程式

中学2年生以上のテストには、何かと連立方程式の文章題が出題されます。

今回はネットで見つけた問題を例にしたいと思います。

2けたの整数がある。この整数の10の位の数と1の位の数の和は8になる。また、この数の10の位と1の位を入れかえてできる整数は、もとの整数よりも36大きくなる。もとの2けたの整数を求めなさい。

参照⇒https://happylilac.net/jhs-math2_02-03-01.pdf

このような問題です。

私がこの問題を一気に読んだとしても「え?」となります。そして「ちょっと整理させて」となることでしょう。

ではどのように整理していくのか。

  1. 「2けたの整数がある。」
  2. 「この整数の10の位の数と1の位の数の和は8になる。」
  3. 「この数の10の位と1の位を入れかえてできる整数」
  4. 「もとの整数よりも36大きくなる。」
  5. 「もとの2ケタの整数を求めなさい。」

といった具合に、5つに分けて理解していくと思います。

①2ケタの整数がある。

たとえば13とか59、26、32、64などが2ケタの整数となります。

$13$であれば$10×1$と$1×3$を足している。
$59$であれば$10×5$と$1×9$を足している。
$26$であれば$10×2$と$1×6$を足している。
$32$であれば$10×3$と$1×2$を足している。
$64$であれば$10×4$と$1×4$を足している。

つまり10の位は「$10×x$」で求めることができ、1の位は「$1×y$」で求めることができる。そして2ケタの整数であるためこれを計算すると「$10x+y$」となる。

ちなみにこの手の問題は「$10x+y$」となるケースが多いです。

②この整数の10の位の数と1の位の数の和は8になる。

10の位の数はxで、1の位の数は$y$にしたから、「$x+y=8$」ということ。

③この数の10の位と1の位を入れかえてできる整数

さっきは「$10x+y$」であり、10の位と1の位を入れ替えるのだから「$10y+x$」となる。

④もとの整数よりも36大きくなる。

「$10x+y$」より「$10y+x$」の方が36大きくなるのだから、「$10x+y$」に36を足すか、「$10y+x$」から36を引くことで、「$10x+y$」と「$10y+x$」を「$=$」で繋げることができる。

つまり

$(10x+y)+ 36 =(10y+x)$
$(10x+y)=(10y+x)- 36 $

いずれかになる。(どちらも同じ)

結果$x-y=4$となる。

⑤もとの2けたの整数を求めなさい。

作った式を計算する。

$x+y=8$
$x-y=4$

これを連立方程式で解くと

$x=6$
$y=2$

となる。

よって2けたの整数は$62$ということになる。

ここまで解き方を文章化しましたが、これを読むと再び「難しい」と思うかもしれません。

ところがこれを、たとえば講師が1つずつ確認しながら説明していくと、「なるほど」と理解する生徒は多いのです。

いずれにしても、このくらい文章問題は分解して1つずつ理解していくことで、断然解きやすくなるのです。

英語長文

次は英語の長文です。

これに関しても、英語が苦手であればあるほど、一気に読んでも内容を理解することは難しいでしょう。

そして何より、単語を覚えていなければ何もできません。

ただしある程度単語を覚えている状態で、さらには「推測」をすることで、全体の内容を掴めることはできます。

また、完全に理解する必要はありません。なんとなくこんな感じのことが書いてあると理解できれば良いのです。

My name is Akiko. I am a Japanese high school student. I came to live in America with my family two
weeks ago. One day Mother asked me about my school life. I answered that I enjoyed it very much. But
that was not true. I didn’t want Mother to worry about me.

参照⇒https://www.study-x.com/eigotyoubun_1_zibunnosekaini.pdf

まずは「ピリオド」を目安として、文章を区切っていきます。

①My name is Akiko.
②I am a Japanese high school student.
③I came to live in America with my family two weeks ago.
④One day Mother asked me about my school life.
⑤I answered that I enjoyed it very much.
⑥But that was not true.
⑦I didn’t want Mother to worry about me.

次になんとなく訳します。その際には大雑把でよいです。

①My name is Akiko.
私の、名前、アキコ。

②I am a Japanese high school student.
私、日本、高校、生徒。

③I came to live in America with my family two weeks ago.
私、来た、住む、アメリカ、一緒、私の家族、2週間前

④One day Mother asked me about my school life.
ある日、母、訪ねた、私に、~について、私の学校生活

⑤I answered that I enjoyed it very much.

私は答えた、私、楽しんだ、それ、とても。

⑥But that was not true.

しかし、それ、違う、本当。

⑦I didn’t want Mother to worry about me.

私、違う、欲しい、心配、~について、私に。

単語ごとに頭から日本語にしただけです。でもこれだけでもなんとなく理解できるかと思います。

さらに区切ってみる

この方法でも難しいという生徒には、次の方法を教えます。

③I came to live in America with my family two weeks ago.

たとえばこの文章が、今回の英文の中でも一番長いです。

これをバンバン区切っていきます。

I came / to live / in America / with/ my family / two weeks ago.
私は来ました。
住むために。
アメリカ。
一緒。
私の家族。
2週間前。

これでなんとなく意味が理解できるかと思います。

問題によっては、正確に意味を理解しなければならない場合もありますが、まずはこの程度でOKです。

いずれにしても、「単語」を覚えていなければ、どうしようもありません。

もし英文に向き合ったときに、分からない単語が出てきた場合には必ずチェックをしておくことをおススメします。

そして「分からない単語のみをリスト化したノート」でも作っておき、そこに書き込み、早いうちに覚えるようにします。

ただし私もわからない単語に遭遇することはあります。そのようなときには「単語の意味を推測する」か「無視」します。多少理解ができない箇所があったとしても、ある程度文章の意味が理解できれば問題は解くことが可能だからです。

直接教えるともっとわかる

今回、数学と英語の問題を例に挙げました。

どちらも「文章での説明」であり、こちら側からの一方的な説明となってしまっています。

文章の説明であるため、ある程度の文章読解力がなければ、今回の説明の理解が難しいかもしれません。

またこちらからの一方的な説明であり、生徒側のリアクションを見ながらというわけでもありません。

そのため、直接会って説明をしたほうが断然理解度が増します。経験上、間違いありません。

どのくらい理解度が異なるかというと、今回の説明文を何度読んでも理解できない生徒はいます。

しかし直接、生徒の反応を見ながら説明すると、5分~10分程度で理解できる可能性が十分にあるのです。

それほど「直接教える」ということは重要なのです。

一方的な授業では理解が難しい

あくまでも私個人の話ですが、学生時代も今も、一方的に教えられても理解できないことは多々あります。

自分の言葉に置き換えないと理解できないことがあるのです。

「これはこうやってからこうやって解く」

と言われても

「つまりたとえばこうですか?」

と自分の中に一度落とし込み、それを相手に聞き直して理解ができるタイプです。

そうでもしないと明確に自分の中に落とし込めず、知識が定着しにくいことがあるためです。

勉強が苦手と感じている生徒の中には、私と同じようなタイプがいます。

その他としては、Aのことを教えるためにはBやCやDといった、数パターンの違った角度からの説明を必要とする生徒もいます。

ではそういった生徒はずっと勉強が苦手かというと、そのようなことはありません。

一度理解してしまえば自分のものにしてしまうわけで、その後はどんどん問題を解けるようになります。

重要なのは「どのようにして自分の中に落とし込むのか?」だと思うのです。

その点からすると、一方通行の授業ではどうしても理解が追い付かないことがあるのです。

個別対応が当塾の強み

当塾では、一方的に教えることはしません。

対象の生徒の疑問が解けるように、あらゆる角度からアクションを行います。

それは、当塾の講師が今まで教えることに関して多くの経験を持っているためできることです。

もちろん勉強内容によっては、「こういったもの、覚えるしかない」といったものもあります。

たとえば「1∔1=2」や「英単語」、「歴史の用語」などです。

しかしそうではなく、今回例に挙げた数式や英文に関しては、いろいろな角度から教えることが可能です。

今までどうも勉強が上手くできない、どうしてもわからない問題がある、勉強量のわりに点数が上がらないと思ったことがある人は、是非体験だけでも受講してみて下さい。