静岡県公立入試「数学」は例年通りの難易度という印象です。
昨年難しかった大問4 (3)の空間図形が例年並みの難易度になった点、大問7の証明が久しぶりに合同や相似ではなく二等辺三角形の証明で少し難度が上がったからです。
大問の順番は変わっていましたが、大問5の箱ひげ図や大問6の2次関数でタブレット型携帯を使った問題など、去年と似たような出題形式でした。
塾生には確実に出るであろう問題は繰り返し解いてもらっているので大丈夫かと思いますが、合格発表まで講師陣も緊張してしまいます。
いくつか問題の感想を述べたいと思います。
大問1,2は例年通り
大問1に関しては毎年恒例の計算問題です。
出題パターンもお決まりなので、ここは満点を取り点数を稼ぎたいところでした。
大問2も作図、確率といつもの問題が出題され、残りは規則性でした。
規則性は毎年ではないものの、出題されやすいので普段から練習している受験生は解きやすかったでしょう。
連立は文字を置く値がカギ
大問3は例年はデータですが、今年は連立方程式でした。
何を$x$,$y$と置くかで方程式の作りやすさが変わってきます。
問題を読んで素直にきゅうりとなすをそれぞれ$x$本、$y$本と置いた場合は
$x+y=360$
と簡単に作れますが、2つ目の方程式を作るために分数が必要になるため計算が少し面倒になってしまいます。
きゅうりを詰めた袋の数を$x$袋、なすを詰めた袋を$y$袋と置くことができれば連立方程式は、
$6x+3y=360$
$200x+140(y-5)+140×0.6×5=13000$
となり、計算がやりやすくなります。
どちらでも解くこと自体はできるので、しっかり文章を読んで式を作ることが重要です。
問題はそれほど難しくなかったと思います。
2次関数はひらめきがポイント
大問6 (2)は直線BCの式から切片を求めて面積で式を作ろうとすると時間が掛かるし面倒だったと思います。
点Bから$x$軸に垂線を引き四角形ADOBの面積を求め、直線BCの切片と点Oの長さを底辺をして式を作れば簡単にできます。
ここで時間を使った受験生も多いかと思います。
証明は二等辺三角形になるための条件
最近は合同と相似の証明でしたが、今回は二等辺三角形の証明でした。
過去問などで相似と合同ばかり練習していたら難しく感じたかもしれません。
中学生が嫌いな動く点Pが問題文に出てきて焦った受験生もいたと思います。
しかし、図8でちゃんと図示されていましたし、円周角の定理や三角形の外角を覚えていてしっかり練習していた受験生はうまく導くことができたと思います。