3つの続いた奇数ではそれぞれの平方の和に1を加えると12の倍数になる。

富士市大渕の塾
富士市吉原の塾
使役動詞の使い方 It makes me happy. 指導報告

3つの続いた奇数では、それぞれの平方の和に1を加えると、12の倍数になる。このことを証明しなさい。

このような問題があります。(iワーク中3数学より)

定期テストや高校入試でも類似問題をよく見かけます。そのため絶対に解けるようになっておきたい問題の1つです。

しかし意外と難しく考えてしまい、「全然意味が分からない」という生徒が結構出てきてしまう問題でもあります。

結論から言いますと「そんなに難しい問題ではなく、難しいと勘違いをしてしまっているだけ」なのです。

「分解」して考えることで一気に簡単になる

このような問題を解く際には、一番はじめに「$n$を整数として」とはじめに書きます。

余談ですが、「$n$」でなくても「$x$」でも「$y$」でも「$z$」でも、好きな文字を使ってよいのですが、一般的に「$n$」を使います。

超重要ポイント 問題文をバラバラに!

この手の問題は、問題文を分解したほうが解きやすいです。

「3つの続いた奇数」では、「それぞれの平方の和」「1を加える」と、「12の倍数になる」

このように分解すると解きやすくなります。

このような問題を苦手とする生徒は、問題文すべてを読み、理解ができず混乱してしまう傾向にあります。

分解した結果、以下のような流れで解いていきます。

「3つの続いた奇数」を出す。

「それぞれの平方の和」を出す。

「②の答えに1を加える。」

「12×なんとかの形になる。」

この問題を解く前に決定していることがあります。それは「12の倍数になる」ということです。

つまり最終的に「$12×$何とか」になるということです。これは決定事項なのです。

①「3つの続いた奇数」を出す

「3つの続いた奇数」「$2n-1$、$2n+1$、$2n+3$」となります。

まずここが第一関門となります。

  • 3つの続いた奇数?
  • 奇数ってどうやって書けばいいの?
  • そもそも偶数もどうやって書けばいいの?

難しく考えないでください。

「整数に2を掛ければ偶数」になります。

今回$n$を整数とするため、$2n$とした時点でそれは偶数となります。

整数に「2」をかければ「偶数」になる

繰り返しますが、今回$n$を整数としているため、$n$に$2$を掛ければ「偶数」になります。

もっと簡単にお話ししますと、「数字に2を掛ければ偶数」になります。試しに適当な数字に2を掛けてみて下さい。偶数になるかと思います。

そして偶数よりも1小さかったり3大きかったりすると、それは「奇数」となります。

ポイントは「偶数に奇数を足せば必ず奇数」になります。

正直ワンパターン状態なのです。類似問題もこのような考え方で解きやすくなります。

よって「$2n$」が偶数であるため「$2n+1$」が奇数になります。別に「$2n+3$」でも構いません。

極端な話「$2n+1000$」を使ってもよいです。ただし計算が面倒になりますが・・・。

「3つの続いた奇数」ということなので、イメージとしては「1、3、5」であったり「-1、1、3」となります。

これを「$n$」を使うと「$2n-1$、$2n+1$、$2n+3$」となります。

「$2n-1$、$2n+1$、$2n+3$」でなくても「$2n+1$、$2n+3$、$2n+5$」でも構いません。

本当に何でもよいです。

そしてなぜこのような形になるのかがよくわからないということであれば、実際に$n$に何かしらの数字(整数)を入れてみてください。すると連続する3つの奇数が必ず出てくることでしょう。

というわけで今回は「$2n-1$、$2n+1$、$2n+3$」を利用します。

②「それぞれの平方の和」を出す

それぞれの平方を出すということは、①で出てきた3つの続いた奇数を、それぞれ平方の形にします。

「$(2n-1)^2$、$(2n+1)^2$、$(2n+3)^2$」

このような感じとなります。

ちなみに「平方」というのは「2乗する」ということです。

それぞれの平方した答えが出てきたため、今度はそれらの「和」を出します。

$(4n^2-4n+1)+(4n^2+4n+1)+(4n^2+12n+9)$

このようになります。

答えとしては

$12n^2+12n+11$となります。

③「②の答えに1を加える。」

「$12n^2+12n+11$」に1を加えるため「$12n^2+12n+12$」となります。

するとすべてに12があるため、12を外に出します。

「$12(n^2+n+1)$」となります。

はじめに説明したように「$12×$何とか」と同じ形になったわけです。

「$12×$何とか」という形になったということは「12の倍数」となったということになります。

もしこの段階で「12×何とか」のような形にならなかったとしたら、どこかで計算ミスしていることとなります。

このように、文章問題を分解して、1つずつ解いていくと、それほど難しい問題ではないことが分かります。

同じような問題は数多くあり、そして学力調査や高校入試にはよく出てくる問題であるため、苦手な場合にはこのような考え方で取り組んでみてはいかがでしょうか。