これまで長く塾に携わってきました。
その中で、「塾にさえ行っていれば成績が上がる」と思っている人は少なからずいます。
結論からすると、ほぼ無理です。
わかりやすい所でいうと、
- 部活に行っているが練習せずに見ているだけでは上手くはなりませんよね?
- 筋トレをするためにジムに行って見ているだけでは筋肉は付きませんよね?
同じことです。
塾は
- どのように勉強すれば成績が上がるのか?
- 何を勉強すれば成績が上がるのか?
などを指導・指摘する場所であり、もし成績を上げたいと考えるのなら生徒自身が提案された内容を行う必要があるのです。
塾もいろいろ
塾にもいろいろあります。大きく分けて2つかと思います。
「勉強の機会を増やす塾」と「成績を上げるポイントを教える塾」です。
一般的な大手の授業形式を採用している塾は、勉強の機会を増やす塾だと思います。
当塾のタイプは通い放題であるため、勉強の機会を増やす役目は果たしていますが、それと同時に成績を上げるポイントを教えてもいます。
冒頭でもお話ししましたが、どのような塾に通ったとしても塾側が指摘したポイントを行わないと成績は上がりにくいということです。
英語は単語を覚えなければはじまらない
たとえば英語です。
英語が苦手な生徒の多くは単語を覚えていません。単語を覚えないことには英語の問題を解きようがありません。
しかし英単語を覚えることは地味な作業であり、多くの生徒は嫌います。
そのため英単語を覚えることを諦めてしまうのです。
しかし英語の成績は上げたい。
教える立場からすると矛盾していると感じます。何とか成績を伸ばしてもらいたいと思い単語のプリントを渡したり宿題を出したりします。
しかしそれをするのかしないのかは生徒次第です。
すぐに答えが出るのは小学校低学年まで
数学においても言えることです。
数学の公式を覚えるのが面倒。でも数学でよい成績を取りたい。
またパッと答えが出る問題は手を付けるが、時間がかかりそうな問題は手を付けない。
実際にそういった生徒はいます。
まず数学では公式に絡んだ問題に関しては、公式を覚えないことには問題を解くことは不可能です。どんなに頑張っても無理です。
また少し見ただけで答えが出るような問題は、中学生や高校生ではほとんど出てきません。それは小学生の低学年までの話です。
つまり公式を覚え、じっくり考えるようにならないといけないのです。
提示した問題や宿題をやらないとどうしようもない
たとえば当塾の場合は、その生徒が成績を上げるために必要なポイントを見つけ出すようにしています。
そこで必要だと思われる宿題やプリントを提示します。
ピンポイントで出しているため、それらをこなす生徒はこれまで苦手だったところも、苦手ではなくなっていっています。
ところがそうではない生徒もいるものです。
当塾では宿題をもし提出しなかったとしても、とくに何も言いません。なぜならそれがその生徒の選択だからです。その生徒の人生です。
宿題を出すように促しますが、強制することはありません。やはりそれがその生徒の選択だからです。
勉強は本気を出す練習
勉強していることは将来使うのか?という質問をよく受けます。
ほとんど使わないかもしれません。
ではなぜ勉強をするのか?という質問を受けます。
いつも「勉強は本気を出す練習」と答えています。
将来どのような仕事をするのかわかりませんが、仕事の内容は興味のあることばかりではないでしょう。興味のないつまらない業務もしなければなりません。
そんな興味のないつまらない業務にしたいしても、自分なりに興味を抱き、本気になって取り組むことが仕事だと思います。
結果として成績が上がっている生徒は多い
当塾では生徒の苦手なポイントを対策することに重視しています。
本人次第というとことは正直ありますが、こちらが提示したプリントをしっかりこなす生徒は良い感じで成績が上がっています。
これは時間無制限ということと、個別で対応しているという点が大きいと考えています。
逆に自分のやり方に固執してしまう生徒の中には、なかなか数字が付いていかないという結果になってしまうこともあります。
ただしそれは本人次第であり、本人が気づくべきことだと思っています。塾側が無理やり従わせるということではないと考えています。
時折話をし、どうしたら現在の課題を解決できるのかと促していき、根気強く対応するしかないと思っています。