子どもから「時間がなくてすべての問題が解けなかった」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
そんなとき「勉強不足だから最後まで解けなかったのだ」と思わなかったでしょうか。
確かにそれは、1つの理由として考えられます。
しかし必ずしもそれだけが原因ではないことがあるのです。
書くスピードが遅くなっている
何年も教育現場にいて思っていることがあります。
それは子どもたちの、「書くスピード」が遅いのです。
これはあくまでも私と比べての話です。では私の書くスピードが特別速いのかというとそんなことはないと思います。
同じ問題を解いてみた
最近の子どもの書くスピードが遅いと思った私は、ちょっとした実験を行ったことがあります。
ある数学の計算問題を、中学3年生の子どもと一緒に解きました。
解く前に「どうやって解こうと思っている?」と子どもに聞きました。
すると正しい説明をしたのです。
「なるべく早く解くようにして」
と一言添えて、一緒に問題に取り組みました。
結果として、私の方が3倍ほどのスピードで解き終えることができたのです。
私も子どもも、どちらも同じ問題を解き、さらに子どもは解き方を理解している状態で大きな差が出たのです。
問題を解き終えた私は、どのように解いているのかも見ていました。
とくに止まることなく解いていました。
結果としてわかることは、やはり書くスピードが遅いのです。
テストで時間が間に合わなくなる
解き方が分かっているのに、書くスピードが遅いため、テストのときにも時間に間に合わなくなってしまっていると思いました。
そのため、書くスピードを上げる必要があると思うのです。
そもそもなぜ書くスピードが遅いのか
そもそもの話ですが、なぜ書くスピードが遅いのでしょうか。
私見ではありますが、学校での宿題の量の変化が要因の1つではと思っています。
私が学生のときに比べると、学校からの宿題が減ったように感じます。
例えば富士市内の中学校では、「1週間で〇〇ページの宿題」といった感じで出されることがあります。
そのページ数も5ページであったり、6ページであったりとかなり少ないのです。
もう30年も昔の話ですが、たとえば英単語であればもの凄いページ数練習していた記憶があります。
数学の問題も解きまくっていた記憶があります。
だからこそ、ペンを動かすスピードが速くなったのかもしれません。
テストの問題は減っていはいない
昔と今を比べ、テストの出題量が大きく減った印象はありません。
そのため、書くスピードを上げるしかないと思います。
書くスピードを上げるためには訓練しかない
書くスピードを上げるためには、訓練しかないと思います。
例えば英単語を1日1ページ練習するだけでも違うと思います。単語も覚えられるし、書くスピードも速くなります。
あとは単純な計算問題を、タイムを計って解いてみるのもよいと思います。そして毎日記録していくのです。
単純にスピードを上げるだけなら、この方法は効果的です。その代わり、毎日前日の記録を超えるよう意識しながら、全力で解く必要があります。
この「意識」が大切です。
ただ何となく解くだけでは勉強ではなく「作業」になってしまいます。
作業になってしまった勉強は、何時間行ってもほとんど身に付きません。
勉強を作業にしてはいけない 意識すること
作業の話を出したので、少しそのことについてお話ししたいと思います。
毎日長い時間勉強をしているのに、なかなか成績が伸びない・・・という子どもは意外と多いです。
勉強ではなく作業になっている可能性があります。
勉強をして覚えようと思ったら、意識をしなければなりません。
野球の素振りにたとえる
たとえば野球の素振りを想像してみて下さい。
毎日30分、素振りをするとします。
一人はバットの持ち方や素振りの角度、腰の回し方、振るスピード等を意識しながら練習していたとします。
一人はとりあえずバットを持ち、何も考えず力なく素振りをしていたとします。
野球を知らない人からしても、どちらがバットの振り方が上手くなるかわかると思います。
運動でも勉強でも、その他何事でも、人間が能力を伸ばすためには意識することが大事だと思うのです。
よって勉強でも、意識しながら覚えることが必要なのです。
まとめ 書くスピードに注目
まとめますと、もしテストで時間が足りない子どもが言ったのであれば、書くスピードが遅いことが原因である可能性があります。
その際には、スピードを上げる練習をする必要があるでしょう。