高校入試の英作文でいちばん大事なのは「難しい英語を書くこと」ではなく「簡単な英語を正しく書くこと」です。
しかし誤って解釈している生徒がいます。そのため難しいかったり普段使い慣れていない単語や文法を使ってしまい、減点の合わせ技で不正解となってしまうケースがあるのです。
まずは単語と基本文型をおさえたうえで、減点されない書き方を身につけることが大事であり、それができれば静岡県の高校入試でも確実に点数が取れるようになります。
高校入試の英作文で確実に点を取る考え方
高校入試の英作文は満点を狙うことも大事なのですが、「減点されない書き方」をすることが大切です。
難しい表現に挑戦してミスするより、簡単な単語と文で正しく書いた方が点数は安定します。採点者は英文の内容よりも、主語と動詞が合っているか、綴りは合っているかなど文法面を中心に見ています。
その前提を知ったうえで、戦略的に英作文を書くことが得点獲得への近道となります。
日本語訳にすると少し不自然に見える文でも、意味が大きくズレていなければ減点方式の入試では十分点をもらえます。
準備編:単語と英文の基本構造を固めよう
英作文で安定して点を取るためには、「覚えている単語」と「基本文型」が武器になります。
難しい文法を使わなくても、主語+動詞の形を守り、知っている単語を組み合わせて文を作れれば十分です。
逆に単語があいまいな状態で使用してしまうと、スペルミスや意味違いが連発し一気に減点が増えてしまいます。
そのためたとえば「この単語のスペルってこうだったかな?」という単語に挑戦するのではなく、自信のある単語を使って近しい意味にする方がよいでしょう。
ただ単語は英語の基本ですので、ある程度は覚えておくことが大事であるという前提は変わりありません。
まずは土台作りを丁寧にしておきましょう。
① 単語を覚える:できれば8割前後
入試の英作文で使用する単語のみを絞って覚えたいところですが、正直度の英単語が出てくるのかはわかりません。
しかしほとんど見たことがない、授業で出てきていないような単語は通常出ません。
もし出たとしても、ほかの意味の似ている単語を使うことでカバーすることが可能なものばかりです。
たとえば「difficult」がわからなかったとしましょう。その場合「not easy」としてしまってもよいです。
せめてですが、中学で出てくる単語の8割は覚えたいです。高校生になっても使うものですから。
学校の宿題で単語を覚える宿題が良くあります。しかしあれは最低限です。あれだけで完璧に覚えられる生徒はまずいません。
よって、自主的に英単語は覚えることをおすすめします。
「見ればわかる」ではなく「何も見ずに書ける」レベルまで仕上げておくと、本番で迷いにくくなります。
② 英文の基本構造:主語と動詞を最優先で考える
どんな英作文でも、まず考えるのは主語と動詞です。
- I like soccer.
- My brother plays baseball.
- We study English after school.
このように
- 「誰が?」=主語(I, My brother, We など)
- 「何をする?」=動詞(like, plays, study など)
のセットが崩れていなければ、大きな減点はされにくいです。
難しい表現を使う前に、「主語と動詞がちゃんとあるか」、「be動詞と一般動詞を一緒に使っていないか」、「三単現のsを忘れていないか」を必ず確認しましょう。
よくある失敗パターンと、その直し方
英作文で点数を落とす多くのケースは、「難しいことを書こうとしすぎる」、「内容を正直に書きすぎる」、「コンマを使いすぎる」というパターンです。
これらはどれも「頑張ろうとした結果」起きるミスです。
しかし大事なのは基本的にテストというものは減点方式であるという点です。そのためシンプルな書き方に変えるだけで点数が安定します。ここでは代表的な失敗と、具体的な対策を紹介します。
① 難しい文法や単語を使おうとしてミスる
「レベルの高い英語を書いた方が高得点になる」と思って、関係代名詞や分詞構文、見たことはあるが書いたことのない単語を無理に使う生徒が多いです。
しかし入試の採点は減点方式なので、
- 難しい構文で文全体がグチャグチャ
- スペルミスが多い
という状態になると、どんどん点が引かれてしまいます。
例:
× I have a friend who is living in Shizuoka which is very interesting for me.
無理に関係代名詞を使うくらいなら、
○ I have a friend in Shizuoka. He is very interesting to me.
のように、短い文を2つに分けた方が安全であり点数も安定します。
※この文法は若干ギコチナイですが、それでも文法的に間違っているわけではないため不正解にはなりません。
② 「正直に答えよう」として書けない内容を選ぶ
「あなたの立場で答えなさい」という問題で、本当に自分が思っていることをそのまま英語にしようとして書けなくなるパターンもよくあります。
例:
「高校に入ったらどんな部活動をしたいですか?」
本音:
「本当は部活をやらずに、家でゲームがしたい。」
しかし、
- ゲームに関する単語や表現があまり思いつかない
- やりたくない気持ちを英語で説明するのが難しい
となると文法ミスだらけの英作文になってしまいます。
このとき大事なのは「本音よりも、書きやすい内容を選ぶ」ことです。
採点者はあなたの性格や本心を知りたいのではなく、「中学生レベルの文法を正しく使えているか」を見ています。
たとえば、
- I want to join the soccer club.
- Because I like playing soccer with my friends.
のように、自分が書きやすい単語と文型を使って答えた方が、結果として高得点につながります。
③ 普段使わないコンマを多用して文が崩れる
日本語の感覚で、英語の文の中にコンマ(,)をたくさん入れてしまう生徒も多いです。
× I like soccer, and I practice it every day, and I am very tired, but I am happy.
このような文は日本語でも読みづらいですよね。
英作文ではコンマをできるだけ使わず、文を短く区切った方が安全です。
- I like soccer.
- I practice it every day.
- I am tired, but I am happy.
このレベルの文でも、主語と動詞がきちんと書かれていればしっかり点が取れます。
実際に英作文を書くときのステップ
本番で慌てずに英作文を書くためには、「毎回同じ手順」で書くことが大切です。すべてを一気に考えようとすると、文法も内容もごちゃごちゃになってしまいます。ここでは、静岡県の高校入試レベルでおすすめの4ステップを紹介します。この流れを練習の段階から習慣にしておくと、本番でも落ち着いて書けるようになります。
ステップ1:日本語で言いたいことを1~2文にしぼる
まずは日本語で、言いたいことをシンプルに決めます。
例:
「高校に入ったらサッカー部に入りたい。友だちと一緒に練習するのが楽しいから。」
このくらいの短さにまとめてから、英語に直していきます。内容をたくさん詰め込もうとすると、文が長くなり、ミスも増えます。
ステップ2:主語と動詞を先に決める
次に、主語と動詞を先に決めます。
- 主語:I
- 動詞:want, like, enjoy など
例:
- I want to join the soccer club.
- I enjoy playing soccer with my friends.
というように、「I+動詞」でスタートする文を作ると、構造が安定します。
ステップ3:知っている単語に置きかえる
難しい単語は使わず、自分が確実に書ける単語に置きかえます。
× I want to participate in the soccer club.(participate のスペルが不安)
○ I want to join the soccer club.
「意味は少し違うけれど、減点されない、安全な単語」を選ぶのがコツです。
ステップ4:最後にチェックするポイントを決めておく
書き終わったら、次のポイントだけは必ずチェックしましょう。
- 主語と動詞は合っているか(He plays, I play など)
- 時制はそろっているか(過去なら過去形にそろえる)
- 文の最初は大文字になっているか
- ピリオド(.)をつけ忘れていないか
- 基本単語のスペルミスがないか(like, study, soccer など)
このチェックだけでも、かなりの減点を防ぐことができます。
まとめ:英作文は「正直さ」より「戦略」が大事
高校入試の英作文で大事なのは、「難しい英語」でも「本音100%の内容」でもありません。
- 覚えた単語を正しく使う
- 主語+動詞の形を守る
- 書きやすい内容を選ぶ(本音でなくてもよい)
- コンマを使いすぎず、短い文をていねいに書く
- 最後に「決めたチェック項目」を必ず確認する
この基本を守れば、日本語訳にすると少し変な文章でも、意味が通じていれば減点は最小限で済みます。
「かっこいい英語を書く」よりも「ミスの少ない英語を書く」。
この意識を持って練習を続ければ、静岡県内の高校入試の英作文でも、安定して得点できるようになります。



