以前、「難しい問題に取り組むよりも基本を固めることが重要」でもお話ししたのですが、難易度の高い問題と低い問題とでは、どちらを優先的に勉強したほうがよいかというと「難易度の低い問題」となります。
ここでいう「難易度の低い問題」というのは「基礎問題」ということです。
生徒の能力にもよるのですが、基本が身についている生徒であれば難易度の高い問題を解くのは全然ありです。
しかしそうではない場合、難易度の高い問題に取り掛かることでかなり無駄を生んでしまいます。
難しい問題が解けると嬉しい でも簡単な問題が解けるとイコールではない
難易度の高い問題が解けると、達成感が味わえます。しかしここで勘違いをしてしまう人がいます。
「難易度の高い問題を解けたということは、難易度の低い問題は解けるはず」
そう思う気持ちはわかるのですが、実はそんなことはありません。
配点を考えてみるとそこまで違わないことに気づく
生徒によりますが、たとえば数学で難しい証明問題が解けたとします。素晴らしいことなのですが、計算問題でミスをしているということがあります。
たとえば英語で長文問題が正解していたとします。しかし英作文で文法はあっているのに単語を間違ってしまっているということがあります。
ここで大事なことは、難易度が高くても難易度が低くても、配分されている点数に大きな違いがないことが多いという点です。
3秒ほどで解ける問題も、解くのに10分かかる問題も点数としては2点、もしくは3点ということが多いのです。
試験というものは得点を取ることが目的となります。簡単に得た2点も、苦労して得た2点も、同じ点数なのです。
テストで8割以上を取る際には難易度の高い問題も解く必要がある ただし基礎問題をミスしないことが前提
どのテストにおいても、8割以上を目指すのであれば難易度が高めの問題もクリアする必要があります。
そのために日頃から難易度の高い問題に挑戦することは大事です。
ただしそれは、基礎的な問題をミスしないという前提が必要です。その前提があるのならどんどん難しい問題にもチャレンジしてもらって結構だと思います。
当塾で高い点数を取ってくる生徒は難易度の高い問題を自発的に解いています。しかし基礎的な問題を時折わたし、それも解いています。
もしそこでミスをするようなことがあれば、もう一度基礎を見つめ直します。ミスが出ないようならば、そのまま好きな問題を解いてもらっています。
時間は有限 限られた時間の中で効果を出す必要がある
時間は有限であり限られています。その限られた時間の中でいかに効率よく勉強するかどうかが大事となってきます。
とにかく基礎が大事
経験上、結局のところ効率が良い方法は基本を身に付けることです。解くことも大事なのですが、なぜその答えになったのか、どのような工程で答えが出たのかをアウトプットできるようになると、しっかり理解できているということになります。
そこまでになると、難易度の高い問題であっても解決の糸口をさまざまな方面から見つけ出すことができるようになってくるものです。
敢えて高難易度の問題から取り組むこともある
実は敢えて高難易度の問題から取り組むこともあります。
前提として生徒の性格によります。
まず敢えて難しい問題を提示します。多くの場合間違えます。するとその問題を解くためには、類似問題でもっと簡単な問題が解けないとだめだと気づきます。
そのため一度基礎に立ち返り、しばらくしてから再挑戦します。
つまり難しい問題で躓いたときに、「悔しい!」という気持ちになれる生徒に対しては、この方法は効果的です。
生徒によって個性が違うため、全員に使える方法ではないのですが、当塾の場合、基本的には個別指導形式のため、その生徒にあった方法を提示するようにしています。